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NPO法人全国女性シェルターネットの声明

更新日:6月9日

NPO法人全国女性シェルターネット

離婚後共同親権導入に関する懸念点について


2024年2月28日、NPO法人全国女性シェルターネットは「離婚後共同親権導入に反対する声明」を発表しました。


2024年1月30日に法制審議会家族法制部会において「家族法制の見直しに関する要綱案」が取りまとめられ、2月15日に法制審議会第199回会議で採択されました。私たちは、DVや性暴力、子ども虐待の被害者支援の関係者として、この要綱案に盛り込まれた離婚後共同親権の導入に強く反対し、DV防止施策やひとり親施策の後退、被害者が被る危険に対する懸念を表明します。


親権を口実にした虐待やDVの継続


共同親権が離婚後(あるいは婚姻関係にない)父母に幅広く導入されると、加害者による親権行使を理由にした子どもへの虐待やDVが続く恐れがあります。特に居所指定などを通じ、被害者が加害者から逃れることが困難になる可能性があり、連絡を強要されるなどの干渉も増えるでしょう。子に関わることで別居親にも許可を取らなければならなくなります。


協議で共同/単独を決めることの危険性


日本では多くの離婚が協議離婚です。対等ではない関係や悪化した人間関係では、正常な協議は困難です。特にDVのあるカップルでは「共同親権」に強引に合意させられる危険性があります。


急迫の事情の曖昧さとその影響


要綱案では単独親権になる条件として「急迫の事情があるとき」が挙げられていますが、この表現は曖昧で狭く解釈される可能性があります。DV防止政策の一環として被害者とその子どもが避難することが奨励されていますが、「急迫の事情」と認められるかどうかが不明確だと、DV被害者が子を連れて避難することに躊躇する恐れがあります。


裁判所の負担と対応能力


裁判所の調査官や裁判官の人員体制やトレーニングが十分でないため、DVや虐待ケースに適切に対応できるか疑問があります。裁判所の負担が増えれば、DVや虐待ケースが適切に除外される役割を果たすことが難しくなります。


ひとり親世帯への支援施策の不明確さ


離婚後も別居親が頻繁に子どもに関わることになると、現在のひとり親世帯への支援策が取り崩される懸念があります。ひとり親家庭の経済的困窮が深刻さを増している中で、政策の後退があってはなりません。


養育費の確保について


今回の提案には、私たちが強く望んでいた実効力のある養育費不払いの是正策が含まれていません。この点についても強く抗議します。


提案


1. 共同親権は「例外的に裁判所で認めた場合」に限るべきです。

2. 要綱案の「急迫の事情」の表現を修正し、「父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては適時の親権行使をすることができず、その結果として子の利益を害するおそれがある時」とするべきです。

3. 共同親権導入によって、現在のDV被害者支援施策がどのように影響を受けるかを政府は検討し、被害者が逃げられなくなる政策を導入すべきではありません。

4. ひとり親世帯への支援や養育費不払い対策をより強化すべきであり、共同親権導入によって後退させてはなりません。


 

おやこハピネスは、この声明動向に関心を持ち、注意深く見守っていきます。


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NPO法人全国女性シェルターネットの声明全文については、公式サイトまたは関連資料をご参照ください。


離婚後共同親権導入に反対する声明

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